先に結論: 国民年金の加入者は、第1号・第2号・第3号に分かれます。1号は自営業・学生など(自分で保険料を納める)。2号は会社員・公務員(厚生年金に入り、国民年金にも含まれる)。3号は2号に扶養されている配偶者(自分では納めない)。どれも法律上の「号」であり、民間の個人年金の商品名ではありません。
もらえる額の目安(令和8年度・日本年金機構): 40年分の保険料納付済期間があれば、老齢基礎年金の満額は月70,608円(昭和31年4月1日以前生まれは月70,408円)です。1号でも3号でも、基礎年金の満額そのものは同じ計算です。2号はこれに老齢厚生年金が上乗せされます。上乗せは給料と加入月で一人ひとり違うので、一律の「会社員は月〇万円」はありません。機構が示す「標準的な年金額」月237,279円は、夫婦2人分の基礎年金を含んだ世帯の例です。一人分ではありません。
ここではおすすめの民間保険や「得する入り方」ではなく、号の意味と、公式が出している目安だけを整理します。自分の見込額は、ねんきん定期便かねんきんネットで確認します。
この記事で分かること
- 第1号・第2号・第3号の違い
- 3号になれる条件(年収の目安)
- 令和8年度の基礎年金満額と、厚生年金の「標準的な年金額」の読み方
- 確認するときの公式情報
3つの号とは
日本年金機構の案内では、次のように分かれます。
| 号 | だれが多いか | 保険料 | 将来の年金の種類 |
|---|---|---|---|
| 第1号 | 日本国内に住む20歳以上60歳未満で、2号でも3号でもない人。自営業、農業、学生、無職とその配偶者など | 自分で国民年金保険料を納める。令和8年度は月17,920円 | 老齢基礎年金(納付・免除の月数に応じた額) |
| 第2号 | 厚生年金や共済に入っている会社員・公務員。65歳以上で老齢基礎年金などを受ける権利がある人は除く | 給与から厚生年金保険料。労使折半。国民年金保険料を別途納める必要はない | 老齢基礎年金 + 老齢厚生年金 |
| 第3号 | 2号に扶養されている配偶者。原則として年収130万円未満の20歳以上60歳未満 | 自分では納めない。2号全体で負担する、と機構が説明 | 老齢基礎年金(3号の期間は納付済期間として算入)。厚生年金の上乗せはつかない |
機構の用語集は、3号について「年収が130万円未満であり、かつ配偶者の年収の2分の1未満」とも書いています。年収130万円未満でも、厚生年金の加入要件に当てはまる人は厚生年金と健康保険に入るので、3号にはなりません。
いくらが目安か(令和8年度)
金額は毎年度改定されます。ここに書くのは、日本年金機構が令和8年4月分から案内している数字です。
基礎年金(1号・3号の土台、2号にもつく)
- 20歳から60歳までの40年(480月)が保険料納付済なら、老齢基礎年金の満額は月70,608円(年額は機構のやさしい日本語案内などで847,300円)
- 昭和31年4月1日以前生まれは満額月70,408円(年額844,900円)
- 未納や免除があると、その月数に応じて減る
- 受け取りは原則65歳。資格期間は10年以上
3号の期間は「納していないのに満額より少なくなる」のではなく、納付済期間として数える、が公式の扱いです。40年ずっと3号なら、基礎年金は満額の計算になります。40年のうち一部だけ3号なら、その月数ぶんが納付済に入ります。
厚生年金(2号の上乗せ)
老齢厚生年金は、加入月と報酬(標準報酬)で決まります。同じ「2号」でも、勤続と給料が違えば額は違います。
機構が令和8年度の例として出す月237,279円は、次の条件の世帯です。
- 平均的な収入(平均標準報酬、賞与込みの月額換算で45.5万円)で40年働いた人が受け取り始める老齢厚生年金
- それに夫婦2人分の老齢基礎年金(満額)を足した水準
満額の基礎年金が1人あたり月70,608円なので、この例から2人分を除くと、報酬比例はおおよそ月9.6万円です。これは公式の前提を分解した読み方であり、自分の上乗せ額ではありません。
「会社員なら月23万円」と読むと、一人分に見えてしまいます。公式の注釈どおり、2人分の基礎を含んだ例です。
号ごとの目安を一文で
| いまの号 | よくある将来の組み合わせ | 公式で言える数字 | 言えないこと |
|---|---|---|---|
| 1号が続く | 老齢基礎年金 | 40年納付なら満額 月70,608円(令和8年度・所定の生年月日) | 未納・免除がある人の個別額 |
| 3号が続く | 老齢基礎年金(3号期間は納付済) | 基礎の満額の計算は1号と同じ。自分で月17,920円は納めない | 3号だから上乗せがある、という話。厚生年金はつかない |
| 2号が続く | 老齢基礎年金 + 老齢厚生年金 | 基礎は上記。厚生は報酬と月数次第。機構の世帯例は月237,279円(2人分の基礎込み) | 自分の給料を入れない「平均額」の断定 |
途中で号が変わる人(就職、退職、結婚、年収増)が普通です。見込額は、いまの号ではなくこれまでの記録の合計で見ます。
よくある誤解
- 「3号は専業主婦だけの制度」 … 配偶者で、生計維持の要件を満たせば性別は問いません。
- 「3号は保険料を払っていないので年金が少ない」 … 3号期間は納付済期間です。少ないのは、厚生年金の上乗せがつかない側の話です。
- 「3号の届出をすると配偶者の保険料が増える」 … 機構は、配偶者本人の保険料負担は増えない、と説明しています。
- 「年収130万円未満なら必ず3号」 … 厚生年金の加入要件に当てはまる人は3号になりません。年収の見方も、勤務先の健康保険の認定とセットで確認します。
- 「公式の23万円が自分の手取り」 … 世帯の例であり、税や社会保険料を引く前の水準です。
- 「3号のまま海外に住んでも同じ」 … 令和2年4月以降、3号には原則として国内居住要件があります。留学や赴任同行などの例外は、届出が必要です。
よくある質問
Q. 3号の期間は、将来いくらになりますか?
A. 3号の月は、基礎年金の「納付済月」として数えます。その月だけを切り出した定額はありません。40年分がそろえば満額の計算、足りなければ月数で減ります。
Q. 2号の配偶者が退職したら、3号のままですか?
A. 2号でなくなると、扶養の3号も続けられません。1号への切り替えなど、届出が必要になることが多いです。勤務先と年金事務所の案内を見てください。
Q. 自分の見込額はどこで見ますか?
A. ねんきん定期便か、ねんきんネットです。この記事の表は制度の目安であり、個別の試算ではありません。
確認するなら
- いまの号は、機構の「1号・3号とは」で切り分ける
- 令和8年度の満額と世帯例は、機構の「令和8年4月分からの年金額等」で確認する
- 1号の保険料は、機構の国民年金保険料のページで確認する(この記事の17,920円は令和8年度)
- 自分の見込額は、ねんきんネットか定期便で確認する
- 第1号・第3号とは(日本年金機構):https://www.nenkin.go.jp/section/faq/kokunen/seido/kanyu/seidosetsumei/20140602-01.html
- 第3号被保険者(用語集):https://www.nenkin.go.jp/service/yougo/tagyo/dai3hihokensha.html
- 第3号の保険料:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/sango.html
- 国民年金保険料(令和8年度 月17,920円):https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/hokenryo.html
- 令和8年4月分からの年金額等:https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/kojin/2026/202604/0401.html
- 老齢年金(やさしい日本語・満額847,300円):https://www.nenkin.go.jp/international/simplejapanese/japanese-system/benefit/old-age.html
- ねんきんネット:https://www.nenkin.go.jp/n_net/
まとめ
1号は自分で納める、2号は厚生年金経由、3号は2号に扶養される配偶者で自分では納めない、が切り分けです。令和8年度の基礎年金満額は月70,608円(所定の生年月日)。3号でも基礎の満額計算は同じで、厚生の上乗せはありません。機構の月237,279円は夫婦2人分の基礎を含んだ例です。個別の見込額はねんきんネットで確認してください。
※公的年金の用語と、令和8年度の公式の目安です。民間の個人年金・iDeCoの勧誘ではありません。税や健康保険の手取り、個別の受給額は断定しません。最新の額は日本年金機構で確認してください。
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