先に結論: いま18歳以上が使うのは、2024年から始まった新しいNISA(つみたて投資枠と成長投資枠)です。こどもNISAは、0〜17歳向けに令和9年(2027年)から始まる予定の枠で、いまはまだ買えません。普通のNISAは通称で、人によって旧・一般NISAか、今の大人向けNISAかを指します。2023年末で終わったジュニアNISAとも別です。
証券会社の案内やニュースで「こどもNISA」と出ると、今すぐ子ども名義で買える制度だと読み違えやすいです。ここではおすすめ商品ではなく、呼び方と、いまできること/まだできないことだけを、金融庁の資料に沿って整理します。
この記事で分かること
- 「普通のNISA」「新NISA」「こどもNISA」「ジュニアNISA」の指す範囲
- いま買えるものと、2027年から予定のもの
- ジュニアNISAの残高が自動で切り替わるか
- 確認するときの公式情報
先に、4つの呼び方
| よく言う名前 | 実体 | 対象 | いまできること |
|---|---|---|---|
| 新NISA/今のNISA | 2024年1月から始まった制度。つみたて投資枠+成長投資枠 | その年1月1日で18歳以上 | 新規の買付ができる |
| 普通のNISA | 通称。旧・一般NISAか、今の大人向けNISAか、話し手で違う | 文脈次第 | 先に「今の制度か、2023年までの制度か」を確認する |
| こどもNISA | 通称。金融庁の令和8年度税制改正では、つみたて投資枠の年齢要件を外し、0〜17歳に枠を置く、と説明 | 0〜17歳 | 制度上の買付開始は令和9年(2027年)。いまは買えない |
| ジュニアNISA | 2016〜2023年の未成年向け制度。新規は終了 | 当時の未成年口座 | 新規買付は不可。既存の保有と払い出しは別ルール |
「こどもNISA」は法律の正式名称として、金融庁の特設サイトで固定されている言い方ではありません。報道や証券会社が使いやすい通称です。中身は、つみたて投資枠を未成年にも広げる、という改正です。
新NISA(いまの大人向け)とは
政府広報と金融庁の特設サイトでは、令和6年(2024年)からNISAが新しくなった、と案内しています。1人1口座です。
- つみたて投資枠:年間120万円。長期・積立・分散に適した一定の投資信託
- 成長投資枠:年間240万円。上場株式や投資信託など(つみたてより広い)
- 同じ年に両方使える。合計で年間最大360万円
- 生涯の非課税保有限度額は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)。簿価で管理し、売った分は翌年以降に枠を再利用できる
- 非課税保有期間は無期限
口座を開設できるのは、日本に住む人で、その年の1月1日時点で18歳以上、が原則です。子ども名義の「こどもNISA」とは別です。
「普通のNISA」とは
制度名ではありません。会話では次のどれかを指しがちです。
- 2024年からの新しいNISA(いちばん多い)
- 2023年までの一般NISA(年間120万円、非課税5年)
- 2023年までのつみたてNISA(年間40万円、非課税20年)
金融庁は、2023年末でつみたてNISAと一般NISAの新規買付は終了した、と書いています。すでに持っている商品は、すぐに売る必要はありません。非課税の期間は旧制度のまま(つみたてNISAは購入から20年、一般NISAは5年)で、新しいNISAへ移す(ロールオーバーする)ことはできません。旧制度の保有分は、新しいNISAの1,800万円の外枠で管理されます。
「普通のNISAはもう使えない」は、旧制度の新規買付の話としては正しく、今の大人向けNISAまで終わった、という意味では誤りです。
こどもNISAとは
金融庁「令和8(2026)年度税制改正について」は、つみたて投資枠の年齢要件を外し、0〜17歳に年間投資枠と非課税保有限度額を置く、としています。適用は令和9年〜です。
- 対象:0〜17歳
- 年間投資枠:60万円
- 非課税保有限度額:600万円
- 商品:長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託(つみたて投資枠と同じ系統)
- 18歳以上になると、成人向けNISAのつみたて投資枠へ自動的に移行
- 払出し:一定の要件の下、12歳以降は可。使途が子のためであることと、子が同意したことを示す書面を、親権者等が金融機関に出す、と大綱にあります
成長投資枠(個別株など)は、この未成年向けの枠には載っていません。大人のNISAを丸ごと子どもにコピーした制度、ではありません。
口座の事前受付を、2026年秋から始める金融機関もあります。それは各社の事務の話です。制度として買付が始まる年は、金融庁資料では令和9年です。
ジュニアNISAとの違い
ジュニアNISAは2023年で終了しました。金融庁は次のように案内しています。
- 2023年までに買った商品は、非課税期間(5年)のあと継続管理勘定へ移り、18歳になるまで非課税で持てる
- 継続管理勘定では新規投資はできない
- 2024年以降は、年齢や事由に関係なく、全額を非課税で払い出せる。一部だけ出すことはできず、出すと口座は廃止
こどもNISAは、このジュニアNISAの再開ではありません。別の改正です。ジュニアNISAの残高が、こどもNISAへ自動で移る、という前提にはしない方が安全です。手元の残高の扱いは、口座のある金融機関の案内を見てください。
違いを一言で
| 新NISA(大人) | こどもNISA(予定) | ジュニアNISA(旧) | |
|---|---|---|---|
| 開始・終了 | 2024年〜(いま使える) | 令和9年(2027年)〜予定 | 2023年末で新規終了 |
| 年齢 | 18歳以上 | 0〜17歳 | 当時の未成年 |
| 年間の枠 | つみたて120万+成長240万 | 60万円 | (新規枠なし) |
| 商品の目安 | 投信と、成長枠では株式など | つみたて向けの投信 | 当時は株式・投信など |
| 引き出し | 制限なし | 12歳以降、要件つき | 2024年以降は全額払出し可(一部不可) |
よくある誤解
- 「こどもNISAはもう買える」 … 金融庁資料の開始は令和9年です。いま買えるのは、18歳以上の新しいNISAです。
- 「普通のNISAは廃止された」 … 廃止されたのは2023年までの一般NISA・つみたてNISAの新規です。2024年からの制度は続いています。
- 「ジュニアNISAが復活する」 … 同名の再開ではありません。枠の数字も、払出しの年齢も違います。
- 「親のNISAに入れればこどもNISAと同じ」 … 名義が違います。親の口座の資産は親の財産です。制度の比較と、家計の分け方は別です。
- 「NISAなら元本は減らない」 … 非課税は税金の話です。投資信託や株式の価格は動きます。
よくある質問
Q. 子ども用は、親の新NISAで足りませんか?
A. 教育資金を親名義で積むことは、今の制度でもできます。こどもNISAは子ども名義の枠です。どちらがよいかは、この記事では勧めません。
Q. 2026年中に子ども名義でNISAを始められますか?
A. こどもNISAの買付開始は令和9年です。未成年の証券口座(NISAではない総合口座)は、金融機関によっては今もあります。NISAの非課税枠とは別です。
Q. 旧NISAの分を、新しいNISAやこどもNISAに移せますか?
A. 金融庁は、2023年までのNISAから2024年以降のNISAへロールオーバーできない、と案内しています。こどもNISAへの自動移管も、公式の前提にはしません。
Q. 贈与税はかかりますか?
A. 誰の財産として入れるか、いくら入れるかで話が変わります。税の当てはめはこの記事では断定しません。国税庁か、税の専門家の確認が先です。
確認するなら
- いまの大人向けNISAの仕組み:金融庁 NISA特設ウェブサイト
- 数字の説明:政府広報オンライン「NISAって何?」
- 2023年までの一般・つみたて・ジュニア:金融庁「2023年までのNISA」
- こども向け枠(令和9年〜):金融庁「令和8(2026)年度税制改正について」(PDF)
- 自分の残高や口座受付の日程は、口座のある金融機関(制度の開始年とは別)
まとめ
今使えるのは18歳以上の新しいNISAです。こどもNISAは2027年開始予定の未成年向けで、ジュニアNISAの復活ではありません。「普通のNISA」は通称なので、旧制度か今の制度かを先に分けると読み違えにくいです。商品の選び方や、今すぐ開設すべきかは扱いません。枠と開始時期は、金融庁の案内が正本です。
※一般的な用語と制度の整理です。投資・税務の助言ではありません。購入や開設の判断には回答できません。改正後の細目は、法令と取扱金融機関の最新案内を確認してください。
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